市内城之腰の堀川の川端に有る常照寺に、魚籃観音が有ると言う。常照寺は阿弥陀如来を本尊とする浄土宗の寺。
珍しい観音様で、これは三十三観音の一つに数えられる観音菩薩。中国で生まれた観音の一つとされ、「馬郎婦観音」と同体とされている。
魚籃とは、魚を入れる籠の事で、魚籃観音は魚籃を持っている観音様や、大きな魚の上に立っている観音様などが有るようだ。
焼津の昔話によると
文久年間(1861?1863)の頃、城之腰村の漁師が、ある日、あみを引き上げようとすると、いつもと違って、何かずっしりと重く、手ごたえがあり、引き上げてみると、網の中にピカピカ光る物が入っていました。取り上げて見ると、それは何と全身に金粉が塗られた、およそ六センチ位の大きさの魚籃観音でした。家に持ち帰り大事にお祭りしましたが、あまりにも神神しく輝いている為、自分の家には置いてはいけないと思い、近くの常照寺に寄付しました。
それから村人達は、この観音様を御参りするようになり、今でもこの寺の宝物として、残されているとの事です。
左の写真のお地蔵さんは六地蔵さんと言います。
魚籃観音様を、是非拝ませていただくべく話したのですが、交渉不成立で写真は有りません。
日本では、単独で信仰される事は無い様です。東京港区の魚籃寺、三重県津市の初馬寺、千葉県松戸の万満寺等に祀られているようですが、魚籃観音は、全国的には少ないようである。
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