海から現れたお地蔵さん

時宗宝城山 海蔵寺は”小川のお地蔵さん”で親しまれている。
本尊は、”延命地蔵大菩薩”で、今から約470年前、明応9年の夏、焼津 城の腰
村沖の海中から出現したもので、等身大の木造半跏像。
昔は、安養寺と言って天台宗の霊場であったが、因縁により、海中の海・地蔵の
蔵の字を取って安養寺を海蔵寺と改称したと言う。


今から、660年前の嘉元3年の春、神奈川県藤沢市に有る、時宗総本山 遊行寺
の二祖真教上人が諸国巡教で、この寺に立ち寄った折、寺の住職が、上人を慕い
上人の弟子となって、天台宗を時宗に改宗した。
それ故に、遊行二祖上人をもって開基としている。
時宗総本山遊行寺末寺 宝城山 海蔵寺と称している。




古くから、世間では、”こがわのお地蔵さま”と呼ばれ、海上安全・水防成就・安産子授
息災延命の祈願で御参りに訪れ人は多い。
この寺は、文化財も多数所有している。
厨子・本尊厨子・御戸帳・一遍上人縁起絵・絵馬がある。
絵馬の写真は撮影出来た。

川から現れたお地蔵さん
清水市郊外、北脇新田の村はずれ、巴川の近くに「河岸の地蔵堂」が有る。
ここに、”河岸の地蔵尊”と共に、”小川地蔵尊”が祀られている。
文化5年9月24日(1808年)正式に歓請し、この地に祀られたと言う。
焼津の小川地蔵尊は、水にゆかりの「川除け地蔵尊」としても信仰厚く、西は
大井川・藁科川・安倍川・長尾川、東は巴川まで地域の多くの村人を水害や、
水難から守ってきた。北脇新田の小川地蔵尊は、一番東に有る川除け地蔵さんで有る。
この「河岸の地蔵尊」は、もともとは、水深の深い、巴川の地蔵淵という所の
土手に祀られていたようですが、何時の頃か、大雨の時、村を水害から守る為
身代わりに成って、巴川に落ち行方不明になり、忘れられていたものと言わ
れています。それを、昭和20年代の前半のある朝、北脇新田の 本多 新太郎
さんの夢枕に立ち、「巴川に埋まって居るから、掘り出してほしい」と話され、
新太郎さんは一日中川底を掘りまわした結果掘り当て、見たところ、夢枕に出て
きたお地蔵さんだったと言う。これが、河岸の地蔵堂に奉納され、
現在に至って居ると言う。

About 原崎 正敏 384 Articles
静岡県焼津市出身

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